SBI大学院 公開授業 『第二回 ビジネスプラン道場』
今月20日(土)に、SBI大学院大学(六本木一丁目)でベンチャービジネス養成講座の公開授業を行った。
4つの新規ベンチャーにプレゼンをしてもらい、聴講者とともに私がその事業計画に突っ込みを入れるというもの。ちなみにそのうち2社は、IPO(株式公開)まで考えているとのこと。
60名超の聴講者の参加があり、満員御礼。(立ち見の人、すみませんでした。)
聴講者の中には、ベンチャーキャピタルなどの機関投資家や監査法人、事業会社などのかたもおられたので、発表する人たちも、当初想定していた以上に緊張したのではなかったかと思う。
事業プランを発表した4チームは以下。守秘義務の関係で詳細な内容は割愛するが、各チームともしっかり準備したプランになっていた。
1.企業のソーシャルネットワーク活用、スマートフォンのクラウド活用に特化したブティック型コンサル会社:「EverConnect」
2.スマートフォンアプリへの広告配信を、ユーザー、広告主、アプリメーカーそれぞれのニーズを反映して最適化するプラットフォーム:「Approid」
3.場所や体験を共有するための新型SNS 「Premiru」 - FaceBookは人のネットワーク。Premiruは場所のネットワーク。
4.ソフトウェアの品質を的確に、確実に改善するために、できあがったコードのテストではなく、開発段階から参画する新種のデバッグサービス(ツルマウソフト)
参加者からは、「ビジネスモデル」、「市場の成長性」、「スケーラビリティ」 などの観点からの鋭い突っ込みが寄せられ、プレゼンターはしっかり答えていた。発表者にとっても良い経験になればと思う。
事業の業種が、ITばかり、しかもソーシャル、スマホ関連などが目白押しだったのは、全くの偶然。 また、4社のうち2社は、IPO(株式公開)までを考えているとのこと。 これも意図した構図ではなかったが、意気込みに拍手。
2011年08月26日
◆SBI大学院 公開授業 『ビジネスプラン道場』
2011年01月20日
◆【ビジネスプラン実践道場】のご案内
MBAコースの現場では、実際どのように事業計画を評価・分析・ブラッシュアップしていくのか。
それを実際に見学する機会を企画し、筆者も講師として登壇するのでご案内したい。

2010年12月30日
◆ 第5回慶應大学ビジネスコンテスト

募集要項はこんな感じ。
http://sites.google.com/site/busiconportal/contests/27
募集テーマは、「破壊的イノベーションを起こす新事業」。
たくさんの応募のなかから、一次審査、外部の経営者・有識者を中心に構成される二次審査を勝ち進み、その日は最終審査会。その構成メンバーはこんな感じ。
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2010年09月12日
◆ルース駐日米国大使とSBI北尾吉孝氏を迎えて
筆者が副理事長を務めるMITエンタープライズフォーラムで、恒例のビジネスプラン・コンテスト&クリニック(BPCC)を開催した。
今年は第10回目にあたる節目。フォーラムの活動を内外にアピールする機会としたかった。
幸い、会場を六本木ヒルズにグレードアップし、ルース大使と、北尾さんという、名声の高いゲストを招聘することに成功し、それでも参加費無料を維持することに成功した。協力して頂いた各団体やボランティアの皆様のおかげによるところが大きく、感謝に堪えない。
お越し頂いたゲストのお二人とも、1、2ヶ月前時点での直球の打診に対して、即座にご快諾頂き、心強い思いをした。
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ルース大使のお話では、起業家を育てることこそ、経済を発展させる最良のアプローチという我々フォーラムの考えに賛同頂いた。
また、ここ2、30年の期間で、雇用を純増させた会社は、創業5年未満の会社であったというアメリカのデータを大使は示した。
さらに大使は日本の就職事情にも触れ、大学新卒の6割しか就職できない現状と、ベンチャーによる雇用創出を政策当局にとって重要なポイントと指摘した。
ルース大使は、シリコンバレー最強の弁護士事務所「Wilson Sonsini Goodrich & Rosati」のトップを務め、アップル、グーグル、ジェネンテックなどの錚々たるベンチャーの成功を助けた立役者でもある。この意味でこの時期にオバマ大統領が駐日米国大使にルース氏を抜擢したことは、とても意義深い。(話がそれるが在中国日本大使に伊藤忠出身の丹羽宇一郎氏が抜擢されたことも重要視したい。民間出身の中国大使は、国交回復以来初めて。) どちらも、二国間のビジネス面での関係発展に大いに期待したい。
ルース氏は続ける。
「シリコンバレーでの経験から、新しい起業がいかに多くの雇用、富、そして社会資本を生み出してきたかを、目の当たりにしてきました。だからこそ、将来の日本の生産性と雇用を促進する意味において、本コンテストのファイナリストに高い期待をもっています。」
In my professional life in and around Silicon Valley, I have seen first-hand how new entrepreneurial firms have tremendous capacity to create employment, wealth, and expand social capital. That’s why I have high hopes for the prospects of this year’s Business Plan Contest finalists -- they represent the future of productivity and employment growth for Japan.
「なので、MITエンタープライズ・フォーラムが、日本、米国や他の24の国々において、ビジネス環境とエコシステムの発展のためにリーダーシップを発揮している事を認識し、とても嬉しく思います。」
So I am pleased today to recognize the leadership of the MIT Enterprise Forum in improving the climate and ecosystem for entrepreneurship in Japan and in the two dozen other countries and U.S. states where it operates.
大使が、我々フォーラムの努力を讃えるにあたって、筆者が日頃標榜する「エコシステム」という言葉を使ってくれたことが、とても意を得た感がして嬉しかった。
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次に登壇頂いたのが、SBIグループCEO、北尾氏。
筆者と北尾さんとの縁は、トレンドマイクロ取締役会を一緒に切り盛りした頃から続き、私はその後10年間にわたり、北尾さんの会社(ソフトバンク・インベストメント)の投資委員会で1000社以上のベンチャーの投資判断を手伝ってきた。私にとって北尾さんは、この人に頼み事をされたら何があっても馳せ参じるだろう、「人生の上司」だ。
北尾さんの講話は、ビジネスコンテストという場で、戸惑う人もいたのではと思えるほど、厳しいデータを突きつけることから始まった。

あまりに低い、企業の生存率。この厳しい現実を、まだスタートもしていない、あるいはスタートしたばかりのベンチャーたちに認識させる。それは、彼らに、起業するなら永続するような会社になりなさい、というメッセージなのだ。
では、どうしたら、そういう企業になれるのか。
大切なのは、正しい倫理的価値観と、高い志と見識にのっとった実行力だという。
評論家ではなく、実際にそれを行っている人からの言葉だから、説得力がある。
>>お二人のお話についての詳細はこちら

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お二人の壇上でのお話しのあとに、せっかくの機会なので、面識のなかったこのお二人を引き合わせ、会談の場を用意させて頂くことにした。会話の内容は掲載を差し控えるが、懐かしい共通の話題や、日米経済や通商のために何ができるか、について議論が弾んで、良い機会になったと思う。大使と北尾さんを送る一緒のエレベータで、ぜひまた集まりましょう、となった。 大使補佐官や大使館スタッフの方たち(写真後方)ともいろいろなお話ができ、大変お世話になった。
それにしても、数年ぶりにお会いした北尾さんは、全く歳をとっていなかった。