日本の心と技術を乗せて

・時代が求める航空旅行のあり方に正面から応えた仕様と性能であること。
・テクノロジーとイノベーションが、世の中にどう貢献しうるかを具現した好例といえること。

3.メンテナンス性
「ドリームライナー」 のニックネームで呼ばれる次世代航空機 「ボーイング787」 が 「離陸」 した。
ボーイング社からの商業納入1号機は、ANAブランド。
米西海岸シアトル近郊にある工場から、羽田空港にやって来た。
飛行機の紹介ではなく、経営のスタイルやアプローチを紹介するこの 「エコシステム経営」 ブログとして、着目したい点がいくつかあるので、数回にわたってとりあげてみたい。
この開発物語が特筆に値する主な理由は以下。
・10年にもわたる多数の先端技術メーカーによる国際協力の結集。
・航空機メーカーと、その直接の顧客である航空会社との、単なる取引関係を越えた「アライアンスパートナー」としての協力の結実であること。
・時代が求める航空旅行のあり方に正面から応えた仕様と性能であること。
・テクノロジーとイノベーションが、世の中にどう貢献しうるかを具現した好例といえること。
実際に太平洋を渡ってきた787の機体を目の当たりにしても、これほどの努力とチャレンジがあったことを思い起こすと、まったく奇跡としか思えない、不思議な感慨を抱く。

この最新鋭機のデザインゴールとして、次のような特徴があげられる。
1.低燃費
2.低環境負荷(低CO2、低排ガス、低騒音、低資源負荷)
3.メンテナンス性
4.快適性(乗り心地)
5.操縦性
6.安全性
5.操縦性
6.安全性
まずはこの6つの特徴について。
1.低燃費
従来機(767)に比べて燃費性能が20%向上。乗客一人あたりの燃費で考えると25%向上。同時にCO2排出量も同率で低減。 この快挙はおもに3つの大きなファクターの貢献が大きい。
1:エンジン性能の向上
2:機体の軽量化
3:機体設計の改善
によるもの。機体については海外協力の項で詳説したい。
1:エンジン性能の向上
2:機体の軽量化
3:機体設計の改善
によるもの。機体については海外協力の項で詳説したい。
2.低環境負荷(低CO2、低排ガス、低騒音、低資源負荷)
低燃費イコール低環境負荷に直結する、という理由と、エンジン設計の改善により、離着陸時の空港周辺に与える騒音が低減された点は特筆に値する。この成果はエンジンメーカー(ロールスロイスとGE)の努力によるところが大きい。
人口の多い地域に空港が隣接していることの多い日本では、他にも増して重視したいファクターだ。ANAに納入予定の787に搭載されるロールスロイスのTrent1000というエンジンは、ICAO(国際民間航空機関)の最も厳しい基準(Chapter4)の規定するノイズレベルの5分の1を達成している。下の写真で、エンジンハウジング後部が花模様にギザギザになっている(シェブロン・ノズルと呼ばれる)のも、風洞実験、飛行実証実験によって導かれた、最新の騒音対策の一環だ。

この騒音対策の実証実験 QTD2 (Quiet Technology Demo Test) には、ボーイングやエンジンメーカーはもちろんのこと、ANAもNASAも協力・参画し、大きな成果をあげた。 結果、空港周辺の騒音低減につながったのみならず、機内、とくに後方シートの乗客が感じる騒音と振動も、大幅に低減することができた。
人口の多い地域に空港が隣接していることの多い日本では、他にも増して重視したいファクターだ。ANAに納入予定の787に搭載されるロールスロイスのTrent1000というエンジンは、ICAO(国際民間航空機関)の最も厳しい基準(Chapter4)の規定するノイズレベルの5分の1を達成している。下の写真で、エンジンハウジング後部が花模様にギザギザになっている(シェブロン・ノズルと呼ばれる)のも、風洞実験、飛行実証実験によって導かれた、最新の騒音対策の一環だ。

この騒音対策の実証実験 QTD2 (Quiet Technology Demo Test) には、ボーイングやエンジンメーカーはもちろんのこと、ANAもNASAも協力・参画し、大きな成果をあげた。 結果、空港周辺の騒音低減につながったのみならず、機内、とくに後方シートの乗客が感じる騒音と振動も、大幅に低減することができた。
3.メンテナンス性
気が遠くなるほど複雑な航空機設計のなかで、できうる限り組み立てを簡素化した努力が787の全体に見てとれる。これは例えば、使用するネジ(リベット含む)の数でみただけでも明白だ。747ではその数は約100万個、787では約10万個。これはメンテナンス性にも直結する簡素化だ。787は、同サイズの従来機に比べて約30%ほどメンテナンスコストが下がるという。