< Part 2 から続く >
同様の理由で、親会社がフランスの場合は、海外各国の現地法人で使う標準言語をフランス語にすべきか、といえば、そうとは限らない。英語が最適解である、となるケースも多いはずだ。
筆者の見方は、要約すると次のようだ。
(ファクター1) 英語だろうが日本語だろうが、社員が社内で使いこなす言語が統一できれば、社内コミュニケーションの効率は上がる。(実際に、20世紀に繁栄を謳歌した国産グローバル企業では、海外で現地採用した社員に日本語の勉強を奨励していた例が多い。)
(ファクター2) それに加え、もしそれが英語で統一できたら、かつもし社員の英語力が充分であれば、「Information Out」つまり対外的に情報を発信するPR活動(営業、マーケティング、IR、CSRなどを含む)の効率と効果が日本語で統一した場合よりもはるかに高まる。さらに、「Information In」情報収集の効率や効果も高まる。
(ファクター3) 社内言語は統一しないほうが、さまざまな文化圏で、さまざまな才能を持った人材を起用できる。今日よく言われる多様性の点からも望ましい。
(ファクター4) 社内言語は統一しないほうが、さまざまな言語の地域から、それぞれの言語での情報が収集でき、それぞれの言語での例えば研究開発能力が活用できる。

< Part 4 に続く >