2009年09月05日

◆ マーケティングとは何か

「マーケティングとは何か」 を説明する、多くの試みがあるが、そのほとんどの場合、マーケティングの一側面を捉えて説明しているに過ぎないことが多い。

典型的かつ端的な例が、よくいわれる「4P」であり、「マーケティングミックス」である。この2つの言葉ほど、「なんだ、マー
ケティングってこういうものか。」と多くの人に思わせた罪の大きい言葉はなかったのではないか。

なぜ、マーケティングというものが、そのように限られた側面を狭義に議論し、理解している人が多いのか、と考えてしまう。

 
IMG_3302.jpg
 

その原因について、次のような仮説を立てた。

1.およそ20年ほど前は、マーケティングというものの進化レベルが今ほどではなく、いま筆者が狭義だと感じているその範囲が、当時としては一般的なマーケティングの概念そのものに近かったから。

2.そしてそれは、学界で、また同時に実戦のビジネスのなかで、いろいろな進化をとげてきており、今日のマーケティング論の体系に至るが、いま見かける議論の多くが、またいま活躍中のマーケティング人(?)の多くが、まだひと昔前のマーケティングだけを理解しているから。

3.日本などに比べて、アメリカでは、学界と産業界の隔たりが小さく、ゆえにそこは二人三脚で進歩しているように思える。とくに昨今は、マーケティングは事業会社主導でそのイノベーションが突き進んでいる時代であると強く感じる。

4.なので例えば、グーグルの、アマゾンの、アップルの、マイクロソフトの、マーケティング戦略を的確に説明できる「識者」が少ないというのも合点がいく。これが日本人の「識者」で、となると、さらに少ない。少なくとも私のせまい行動範囲では、お目にかかったことはない。これらの先進的企業の行動は、以前のマーケティングの体系では、説明ができないものが多すぎる。日本企業として、それらに匹敵するレベルの企業行動ができるかどうか以前に、理解ぐらいはできる人がもっと増えないと、日本の産業の将来は危ぶまれる、と言ってもいいのではないだろうか。ここに例示した先進的企業については、いくつもの書物に著されており、多くは和訳も出ているが、その訳者の理解度も、おそらく例えばそれら企業の日本法人幹部(特定の誰かをさすのではなく、一般論として)の、本社に関する理解度と大差ないのだろうと想像する。

1.については、その仮説の真偽は、ちょっと調べればわかることなのだろう。

 
ウインザー(ロンドン郊外)
 

たとえば、自宅の物置に、自分が使った当時のマーケティングの教科書があるかも知れないから、後日それを開いて、確かめてみようと思う。確かめる前の記憶で言うとすれば、自分がアメリカでマーケティングを専攻した1980年代前半においては、学界(?)のマーケティングの研究レベルもそれが最前線だったように思う。つまりそれ以降もし勉強を続けなかったら、自分もこのギャップに気付き、疑問に思うことなく、昔のマーケティングだけを理解し、実践している人のひとりでいただろう。

ここまで書いたことをふまえて、このブログでは、マーケティングとは何か ということを、テーマの一つとして、考えて行きたいと思う。

posted by Nobby at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング
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