2010年07月29日

◆ 働きたい会社、働きたくない会社

働きたいと思える会社って、たまにある。

もちろん、そう思えない会社も、ある。

(こっちのほうが、たくさんある。)

違いは、どこからくるんだろうか?

いろいろな会社が、社員に対してアンケート調査を行うことがある。
社員の満足度をちゃんと考えよう、というのが、最近の流れだ。

顧客満足(CS)に対して、ES(Employee Satisfaction)と呼ばれることも多い。

そのようなアンケート調査から、社員が会社に何を求めているか、どこに不満をもつか、がわかる。

それらをふまえて、働きたい会社を形容してみると、

・明確な方向性がある。
・そして社員が、それを理解し、それに向かって動いている。
・さらに、その成果が企業のパフォーマンス(成長、利益、企業評価など)に反映されている。
・さらに、そうしてかち得たもの(利益など)が、各ステークホルダー(*1)に、フェアーに還元される。

(企業のステークホルダーについては、本ブログ2010年2月「会社は誰のものか?」を参照。)

というふうに、一連のストーリーとなるものだ。

Tokyo Cityscape

では逆に、働きたいと思えない会社って、どんな会社だろう?

・会社の方針が見えない。
・貢献度の高い人が相応に処遇されない。(心当たりあるでしょ、そういう会社!)
・ダメ上司のいる会社(*2)(ダメ上司については下に後述)
・業績が安定しないので、会社の経営基盤が安定しない。
・リストラがあった、あるいはありそうな雰囲気。
・経営トップが長〜い間、変わっていない(必ずしも断定できないが、経営陣の硬直化の兆し)。

(*2) ダメ上司について考えてみる。

・指示や方針を明確に示してくれない
・必要なときにタイムリーな決断をしない
・指導やアドバイスをしてくれない
・部下の手柄を奪う、自分の失敗を部下になすりつける

とくに最後の点は致命的で、そういう上司を持った社員は不幸だ。

この場合の上司と部下の関係は、こんなかんじ・・・。

<< 部下と上司の関係 >>

- 部下の手柄は上司のもの
- 部下のミスは部下のせい
- 上司の手柄は上司のもの
- 上司のミスは部下のミス

こうやって簡潔に書いてみると、ジョークのように見えるが、実際にこういう会社は、少なからずある。

従業員数万人クラスの大企業で、この体質があることで有名な会社も、ある。

ダメ上司にしても、ダメ会社にしても、最終的には全て、それを放置している経営者の責任だ。
posted by Nobby at 17:57 | Comment(8) | TrackBack(0) | 経営

2010年07月06日

◆ Giving it Back(何がお返しできるか)

オバマ大統領に続いて、最近MITを訪問してくれたのが、ビル・ゲイツ氏だ。

マイクロソフトを引退し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団のNPO活動に専念して約2年。今回のMIT訪問はその立場では初めてとなる。

Are the brightest minds working on the most important problems? (君たちの叡知を、世界の重要な問題に取り組むために使ってますか?)

Bill Gates visits MIT (新しい窓で開く)


And to the degree that they're not, how could we increase that, which I think could make a huge difference? (もしそうでないなら、どうしたら改善できますか?大きなインパクトをもたらす可能性があるのに。)

知性の高いゲイツ氏の友人たちが、やっきになってスポーツや株式市場の話をしているとき、その頭脳をもっと大切な世の中の問題に向かわせるべきだとゲイツ氏自身が感じ、講演冒頭のこの質問になったそうだ。

確かに、医療、食糧、衛生、教育、エネルギーなど、世界には解決を求められている課題が山積している。


Better-World.jpg


科学のイノベーションにおいても、富める者のニーズのほうに関心が向かいすぎてないですか? たとえば毛生え薬とか、金融デリバティブ商品とか。

学生の質問にも気さくに答える、自然体のゲイツ氏がそこにはいた。

MIT学生:世界一のお金持ちになって、それってどんな気分ですか?

ビル:べつに、お金に糸目をつけなければ、マクドナルドよりおいしいハンバーガーが食べられるわけじゃないし、人間たぶん、ある程度以上のお金(数億円イメージ)を手にしたら、それ以上のお金ってそれほどの意味がないのかも。それより、今度は自分がどんなお返しができるか、だと思ってるんです。

講演の前の学生座談会のとき、突撃で自分のビジネスプランをゲイツ氏にぶつけたMIT・スローンMBAスクールの院生がいた。

私は母国サウジアラビアで、医者のいない過疎地を回って治療をしてあげるための医療トラック派遣事業をやりたいんです。どう思いますか?

ビル:素晴らしい。でも、できるだけ大きな視点をもつようにしてほしい。グローバルレベルで、乳幼児の生存率の問題があり、食糧や医療や水の問題があり、私たちにできること、すべきこと、がたくさんあるよね。一緒にがんばろう。

posted by Nobby at 18:29 | Comment(2) | TrackBack(0) | イノベーション