「いちばん、売れてます♪」
「皆さんこれをお求めになられます!」
「部長、うちのこの製品、すごい伸びてます!」
こういう、あいまいな表現は、やめましょう。
当店でいちばんなのか? 今週に入ってのことなのか? それは先週から予約が入ってて、今週から出荷開始だったからではないのか? その店でその製品のメーカーリベートが入り、メーカーの負担でもってポイント2倍還元セールをしているからではないのか? などなど、我々はふだんから、マーケティング関係のデータに対しては、冷静に判断する態度を持っておきたい。
では、そこは理解して頂けたとして、練習問題をひとつ。
あなたはA社のCEOだ。
現在のA社のX製品の出荷個数は、全世界で約2.6億個近くにのぼり、シェアは93%とする。逆算すると市場規模は約3億個弱だということがわかる。一方、同カテゴリーの製品を持つB社は、シェア2位で、4%そこそこか。この市場では、その他のメーカーも存在するが、ほとんど視界に入ってこない。A社ではあまり意識もしていない。
なんのことはない、どこからどう見ても、あなたの会社の一人勝ちだ。過去のデータを見ても、あなたはこの市場が生まれてから30年間、トップシェアの座を脅かされたことがないのだ。そこへ最近、新参のC社が、この市場に参入すると名乗りをあげた。初参入なので現在のシェアはもちろんゼロだ。
こんなお気楽な話が実際にあるか、はおいといて、さてA社のCEOに就任したばかりのあなたは、何か緊急のアクションをとる必要があるだろうか?